

102話 一本の歯が引き起こす問題 その後
100話にわたる記事の中には、終了した症例もあれば現在進行形の症例もあります。 そのうち「44話 一本の歯が引き起こす問題」で紹介した症例は第一段階を経て定期的に観察しています。その経過を報告します。 【上顎】 初診時、一本の歯が内側に傾斜しています。 【正面1】 このまま口を閉じると、前歯どうしが衝突する瞬間があります。 【正面2】 上の写真のままでいるわけにはいきません。衝突を回避するために下顎を少し前に出すと、 下顎の前方誘導による反対咬合の成り立ちです。 【治療後上顎】 歯の傾斜を修正しました。 【治療後正面】 前歯の衝突が無くなると、下顎の前方誘導も無くなります。 重ね合わせ図で確認してみましょう。 前方誘導がなくなり、下顎は後方に移動しました。 下顎は本来の位置に復帰したことをあらわします。 実線:初診 点線:改善 さて、ここまでの話しは前回の記事と同様です。 反対咬合改善時の正面写真をもう一度見てみましょう(下写真)。 「前歯がそろっていないのではないか」という声が聞こえてきそうですが、そろってなくても構いません。下顎の前方誘導も