矯正治療のはなし

​工藤 泰裕
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矯正相談

成人女性、前歯が出ていることを気にして来院しました。 当医院では、まず「矯正相談 」を行います。ご本人のお話しを伺い実際の状態をみま す。現在の問題点を抽出し、いくつかの選択肢を提示します。矯正相談だけで治療しな い人もいます。成長期の子供の場合、すぐ治療の必要がないときは、観察していくと良 いでしょう。 矯正相談のあと同意を得られた方は、後日、検査をします。 その時の口腔内写真です。特徴は、出っ歯の感じ、犬歯の位置不正、もう一つ下顎の歯 の本数が少ないのに気づきましたか。犬歯と犬歯の間に、前歯が2本しかありません。 普通は4本ですが、先天的に欠損していました。 診断の結果、上顎第一小臼歯の抜歯、 マルチブラケット治療を開始しました。 マルチブラケット装置を外した時の口腔内写真です。 当医院でのマルチブラケット治療の治療期間はおよそ1年半です。 その間、装置は付けますが、目的は美しく健康な歯並び咬み合わせをつくることです。 装置を付けるのが嫌では、治るものも治りません。出っ歯、犬歯の位置不正は解消され ました。下顎の前歯欠損に応じた咬み合わせをつくることで、審美的で機能的な歯並び 咬み合わせが得られました。 長く悩んでいた自分の歯並び咬み合わせが治った時のことを想像してみてください。 いちど、矯正相談を受けてみてはいかがですか。

スペースの有効利用

上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)、聞きなれない言葉ですね。 簡単に言えば、上下の前歯が平均的な角度よりも急傾斜している状態。 横顔の外観は、口元がもっこり突出した感じです。唇が閉じずらいこともあります。 今回の症例は、 その上下顎前突です。 顔の写真は載せませんが、口元もっこりで口唇閉鎖(こうしんへいさ)が困難でした。 無理に唇を閉じると、下顎の先(オトガイ)の皮膚が引っ張られてシワができます。 診断の結果、上下の第一小臼歯の抜歯が必要となりました。 抜歯したあとには隙間ができます。 この抜歯スペースを最大限利用し、前歯を後退します。 「スペースを最大限に利用し前歯を後退する」とはどういうことか。 例をあげて解説します。 さあ、今日は運動会です。前歯組と奥歯組の綱引きをはじめます。 ①第一小臼歯を抜いた隙間があります、平均8mm。 ②その隙間を挟んで前方には前歯組が、後方には奥歯組が陣取ります。 ③綱引き開始。よーいドン。 本症例は、「スペースを最大限に利用し前歯を後退したい」のです。奥歯組が動かない ように頑張って、前歯組を隙間に向かって引き込みたいということです。 奥歯組が前方移動しないような工夫が必要です。それ相応のテクニックがあります。 ④奥歯組は工藤先生の応援のおかげで、余計な移動はありませんでした。 ⑤抜歯した隙間を有効につかい、前歯組を引き込みました。 ⑥かくして奥歯組の勝利となりました。 マルチブラケット装置を外したところ。 口腔内写真だけではお伝え出来ませんが、前歯の位置は初診時より、後ろにさがりまし た。横顔の外観上、口元のもっこり感もなくなりました。唇も

治療後のイメージを考える

様々な不正咬合があります。骨格そのものが小さかったり、大きかったり。 歯の凸凹の量が少なかったり、多かったり。 横顔の外観上、口元が出てたり、引っこんでいたり。 咬み合わせが浅かったり、深かったり。 舌癖(ぜつへき)があったり、なかったり。 顔面周囲の筋力が強かったり、弱かったり。 種々の条件を考慮し診断、治療方針をたてます。 今回の症例は、歯の「凸凹が多く」、「咬み合わせが深い」タイプの不正咬合です。 診断の結果、第一小臼歯の抜歯が必要と判定、マルチブラケット治療を開始しました。 治療期間は1年10カ月、装置を外したところです。 毎回、治療の都度、仕上がりのイメージを考えながら針金(ワイヤー)の調整をしま す。深いかみ合わせ症例の治療後のイメージは、浅く仕上げることです。それ相応のテ クニックがあります。理論と熟練が必要です。 深かった咬み合わせは改善されました。歯の凸凹もなくなりました。治療前に比べ咀嚼 効率が良くなり、機能性が向上しました。そして何よりも美しくなりました。 見た目の印象が良くなり、表情も明るくなりました。矯正治療には大きな可能性があり ます。なお撮影の都合上、保定装置を外しています。

矯正用の小さなゴム

矯正治療をするうえで「歯を抜く」ことがある。というのをご存知でしょうか。 レントゲン分析、模型分析、抜歯分析などのを考慮して抜歯・非抜歯の診断をします。 抜歯・非抜歯の判定で明らかに抜歯、明らかに非抜歯というものと、ボーダーラインに あるものがあります。わたしはボーダーラインの場合、非抜歯を選択します。 いっぽう、明らかに抜歯のものを非抜歯で治療することはありません。 なぜなら不正咬合は「バランスを欠いた状態」。抜歯をすることでバランスをととのえ る必要があります。もし、抜歯をしないで無理やり非抜歯で治療したとします。 もっとバランスが悪くなって、治療は成り立ちません。 今日の症例 成人、上顎の前突感を気にして来院されました。 診断の結果、非抜歯と判定、マルチブラケット治療をはじめました。 初診時の状態 マルチブラケット治療の期間は1年8ヶ月、保定に移行しました。 歯や顎を動かす力のことを「矯正力」と言います。 マルチブラケット治療の矯正力の主力は針金(ワイヤー)の弾性力です。 また必要に応じて、小さな矯正用の輪ゴム(直径5mmほど)を使用します。 本症例では、ある一定の期間、上顎の犬歯と下顎の臼歯の間をゴムで連結しました。 ゴムは取り外しが可能で、毎日新しいゴムと交換します。 上下歯列の差は、ゴムの矯正力で修正され、出っ歯の感じがなおっていきます。 矯正治療の治療期間は平均1年半から2年を想定しています。ひと月に1~2回受診 し、矯正装置の調整をします。必要に応じ一定期間、小さなゴムを併用します。 指示どおりに使用してください。 歯を動かした治療のあとは、歯を安定させる保定期

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