102話 一本の歯が引き起こす問題 その後

100話にわたる記事の中には、終了した症例もあれば現在進行形の症例もあります。

そのうち「44話 一本の歯が引き起こす問題」で紹介した症例は第一段階を経て定期的に観察しています。その経過を報告します。

【上顎】

初診時、一本の歯が内側に傾斜しています。












【正面1】

このまま口を閉じると、前歯どうしが衝突する瞬間があります。












【正面2】

上の写真のままでいるわけにはいきません。衝突を回避するために下顎を少し前に出すと、

下顎の前方誘導による反対咬合の成り立ちです。










【治療後上顎】

歯の傾斜を修正しました。












【治療後正面】

前歯の衝突が無くなると、下顎の前方誘導も無くなります。

重ね合わせ図で確認してみましょう。


           









前方誘導がなくなり、下顎は後方に移動しました。

下顎は本来の位置に復帰したことをあらわします。

実線:初診  点線:改善












さて、ここまでの話しは前回の記事と同様です。

反対咬合改善時の正面写真をもう一度見てみましょう(下写真)。

「前歯がそろっていないのではないか」という声が聞こえてきそうですが、そろってなくても構いません。下顎の前方誘導も無くなり、反対咬合が改善さえすればいいのです。あとは定期的に観察するだけです。この写真の時点から観察をはじめました。











【現在の口腔内】

上の写真から15ヶ月経過したところ、令和2年3月の状態です。

不揃いだった前歯は隣りの歯が生えるにしたがって、自然ときれいになりました。

今後も歯の生え変わりが進行することでしょう。歯と顎の状態、全身の成長発育などを定期的に観察していきます。

さて、不正咬合には「適切な時期」に「適切な治療」を「適切な方法」で対応する必要があります。きちんと治すためにも、過去の記事を参考にして下さい。

15話 反対咬合の分類

21話 子どもの反対咬合

67話 乳歯列期の反対咬合が観察でよい理由

73話 適切な年齢で適切に治療すること

80話 反対咬合は放置しないこと

92話 何もしない勇気

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