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84話 いつ治るの

何年にも渡って装置を使用しているけど改善が見られない。

という話しをたまに聞きますが、いつ治るかわからないようでは困ります。

ではなぜこの様なことが起きるのか考えてみましょう。

不正咬合には様々な種類があります。同じような症例であっても、その原因はそれぞれ違います。従って、正確な診断をして、症状に見合う装置を選び、その都度調整する必要があります。もしここにミスマッチや調整不良があれば、残念ながら治りません。指示通り一生懸命に使っても、治るはずがないのです。これが答えです。

私には治す責任があるので、使用する装置には慎重になります。当然のこと、取り外し式装置ではなく、マルチブラケット装置を主に使用します。

マルチブラケット装置は歯の移動に、術者の意思を正確に反映させることが出来る優れた装置です。最近の若い人はワイヤー矯正と呼んでいるようです。しかしながら、いくら優れた装置であっても装置はただの道具にすぎません。術者が良ければ良い効果を発揮しますが、術者が悪ければ効果がないか、悪い効果を発揮します。

つまり、矯正治療で一番重要なのは診断なのです。きちんと診断が出来ないとか、そもそも診断していないなどは論外。精確な検査資料を採り、正確に分析して問題点を抽出します。解決の道すじを立てたなら、丁寧に仕事をすすめていきます。

【初診】

13才 男性

通法に従い、検査資料を分析して診断をします。

本症例は第一小臼歯を抜歯する必要がありました。マルチブラケット治療を開始します。















































私の施術するマルチブラケット治療では、最低月一回の来院が必要です。その時にはワイヤーの調整や交換などをします。治療内容によっては月2回が望ましい時期もあります。

【治療後】

治療期間 18ヶ月

効率良く治して、矯正装置を外します。尚、普段は保定装置を装着しています。















































治らないのは、歯が動かないか、動き過ぎたかのどちらかです。

確かに矯正治療は難しいものです。誰にもできる仕事ではありません。難易度の高い症例もあり、その見極めは素人には困難です。うかつに手を出したら最後、とても太刀打ちできないでしょう。

何年にも渡って装置を使用しているけど改善が見られない、いつ治るかわからない。

先生の解決策は、しかべき紹介先を考えることです。患者さんの解決策は、信頼できる先生を選ぶことです。

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