成人 上下顎前突症例

June 17, 2019

重ね合わせ図は治療効果を検証するうえで、重要な情報を提供してくれます。

例えば、どう治ったか、どう治らなかったか、作用は反作用は、など目で見て分かります。術者の治療技術を如実に反映する鏡とも言えます。

 

 

上の重ね合わせ図は今回の症例です。説明はあとでします。

 

口の中を診てみましょう。
 

【初診】

 

30才代 女性

 

先ず口を閉じた状態。上下の歯列が咬み合ったときの関係「咬み合わせ」を確認します。次に口を開けた状態。歯列の凸凹の量「歯並び」を確認します。

 

次に、咬み合った状態のときの横顔を覗き込みます。顎顔面全体のバランスを観察します。

 

 

 

 

 

 

通法に従い、検査資料を分析します。

本症例は、小臼歯の抜歯が必要となりました。

 

【治療後】

 

動的治療期間 16カ月

装置を外した時の写真です。保定装置に置き換えて保定に移行します。

 

 

 

 

 

 

みなさんが使用する装置に関心があることは十分理解できます。

ただ、何を使うかより、どう治るかを考えてみて下さい。

私の使用する装置はマルチブラケット装置です。歯の表側に付けるタイプでワイヤー(針金)を使い、こう治します。

 

【治療効果の判定】

 

矯正治療がまぐれで治ったのでは困ります。また治療成績の精度を上げるには、なぜ成功したか、あるいはなぜ失敗したかを知る必要があります。それを知る方法が重ね合わせ図です。製作には時間がかかりますが、治療技術の確認ができ、たいへん勉強になります。

 

初診                    治療後

 

 

 実線:初診  点線:治療後

 

1、上顎前歯:6.0㎜ 後退 と 3.0㎜ 圧下(※1)

2、上  唇:2.0~4.0㎜ 後退

3、下顎前歯:5.0㎜   後退

4、下  唇:5.0㎜   後退

5、下顎骨 : 1.0㎜ 前方 と 2.0㎜ 下顔面高の短縮

6、オトガイ部軟組織の緊張緩和

 

治療効果のまとめ。

 

上下顎の前歯が後方移動した。これに連動して口唇がさがり口元の突出感が減少し、口唇閉鎖が容易になった。オトガイ部皮膚の緊張が無くなり、自然な丸みを帯びた。また、下顎骨を反時計回りに回転させる事が出来た。これにより下顔面高が減少し、側貌の改善に貢献した。

 

以上のメカニズムで本症例は改善しました。

矯正治療は専門性が高く、高度な技術が要求されます。

広告に騙されることなく、きちんとした矯正治療を受けるようにして下さい。

 

※1 歯の移動方向を表す用語

圧下(あっか)  :根尖方向、歯を埋める方向のこと

 

 

 

 

 

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