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64話 安易な歯列拡大・部分矯正・歯を削る方法

不正咬合を治療するときは、歯と顎顔面のバランスを考える必要があります。

例えば、不正咬合の種類によっては、顔つきに特徴がでます。

下顎前突(反対咬合)は下顎前突の顔に、上顎前突(出っ歯)は上顎前突の顔に。

ここまでは何となく想像できると思います。

次は聞きなれない言葉です。

上下顎前突という症例があります。これは横顔のバランスの中で、口元が出ている感じのものを言います。

いずれにせよ、上に挙げた各症例は矯正歯科医師が検査資料を分析した結果、使われる名称です。他人の顔をぱっと見て判断してはいけません。

【初診】

17才 女性

検査資料を分析して診断をたてます。

上顎前突と歯列の凸凹を併せ持った症例です。

抜歯分析の結果は抜歯判定です。





































【頭部X線規格写真】



















頭部エックス線規格写真では、数値化した患者データと日本人平均値を比較し、問題点を抽出します。

上顎前歯部には鮮明に見えるのものと、さらに前方に薄く見えるものがあります。

上顎前突の程度は著しく、画像では分かりにくいですが、口元は突出して口唇閉鎖が困難です。

【治療後】

マルチブラケット装置を外しました。

初診の上顎前歯の位置は、治療によって後ろに後退しているので、口唇閉鎖は容易となっています。

横顔と口元が変化した図は、以下のタイトルに掲載しています。

クリックするとジャンプします。















































頭部エックス線規格写真は矯正治療をする上で絶対不可欠な資料です。

横顔のバランス、口元の突出度、顎の形など重要な情報を提供してくれます。

一方で、口の中だけを見て判断すると、次のようなことが起こり得ます。

例1:歯列に凸凹があると拡大する。

   写真は初診時の本症例




















正常な顎を顎を拡大すると、側方歯は頬っぺた側に傾斜し、前歯は唇側に傾斜し口元は突出することになります。術者の視点は凸凹の解消に注がれるため、副作用に気づくことなく拡大を続け、取り返しがつかなくなります。

例2:セラミック矯正の誤解

セラミック矯正は矯正治療ではありません。歯を細く削って、差し歯やブリッジなどの被せ物    をいれる方法は、補綴治療と言います(ほてつちりょう)。

写真は初診時の本症例











例えば、上の二番目の歯を抜いて、犬歯から犬歯の連続したブリッジでを入れる方法です。前歯の見てくれを修正しただけで、全体は治っていません。また、被せ物などの人工物は、いつの日か取り換えの可能性があり、一時的な処置と言えます。

2例は、口の中だけの情報て判断した典型例です。

不正咬合は顎・歯・筋肉や習癖などの機能を含めた全体のアンバランスが原因で生じています。つまり矯正治療とはアンバランスをバランスへと整えることです。

安易な歯列拡大や部分矯正あるいは歯を削る方法には、顎顔面全体のバランスを整えるという考えが欠落しており、およそ矯正治療とは言えません。

皆さんは、正しい矯正治療を受けましょう。

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