早ければいいというものではない

歯列は次の三つの段階を経て成長します。

乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)。

不正咬合があったとしても、乳歯列期での治療の必要性は高くありません。混合歯列期まで定期的に観察するだけで良いでしょう。

【初診時】

本症例は混合歯列期の反対咬合症例です。

【第一段階】

反対咬合の改善。中切歯を移動させました。

       (ちゅうせっし)

治療の原則は、原因にアプローチすることです。歯性の反対咬合なのか、骨格性の反対咬合なのかで治療のしかたが違います。検査資料を分析して、正確に診断する必要があります。

装置を外して、観察に移行します。

【側切歯の萌出】

側切歯が生えましたが反対咬合です。治します。

(そくせっし)

【側切歯の改善】

これで、ひと安心です。顎の成長や永久歯の生え変わりを観察していきます。

【永久歯の萌出】

永久歯列になりました。

この時点で、もう一度、検査資料を採り診断して治療方針をたてます。

マルチブラケット治療を始めます。

【第二段階】

     (正面画像なし)

歯に矯正力を加えると歯は移動します。それは歯根周囲の歯槽骨が吸収と再生を繰り返すことでなされます。この生理的な組織変成には一定の時間がかかります。こちらの都合でどうにかなる種類のものではありません。また矯正力は強すぎてはいけないし、弱すぎてもいけません、適切な荷重があります。患者さんの年齢や歯の種類などを考慮して調整します。

私はマルチブラケット治療の治療期間を1年6ヵ月から2年に設定しています。1年くらいで治りそうな場合は、意図的に移動速度を調整しこの範囲に収めるようにします。治療期間は早ければいいというものではなく、ヒトの生理的な秩序に従うべきと考えます。

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