39話 顔を造る

前回のテーマは「顔を治す」でした。

矯正治療では、歯の凸凹を治すだけではなく顔の外観も変えることができます。反対咬合は反対咬合の顔、上顎前突は上顎前突の顔をしておりそれぞれの特徴を有しています。また、口元がもっこりした感じの場合、正しい診断と治療技術によって改善できます。今回は上顎前突症例を紹介します。


【初診時口腔内写真】

中学3年生 女子

上の前歯が出ているのを気にして来院されました。















































正確な検査、正しい診断をします。矯正治療をはじめます。


【マルチブラケット治療終了時】













































動的治療期間は1年10ヶ月


【頭部X線規格写真】

頭部エックス線規格写真(セファロ)はたいへん重要な資料です。矯正歯科では必ず撮影します。セファロ分析といって画像を数値化して、角度計測、距離計測など行いますが、ここでは細かなデータは省略します。


初診時




改善時



















前歯の違いが分かりますか。重ね合わせ図で歯の移動と軟組織の変化を検証してみます。


【重ね合わせ図】

初診:実線、術後:点線

1、上顎前歯:5.0㎜ 後退 と 2.5㎜圧下(※1)

2、上唇:  4.0㎜ 後退

3、下顎前歯:3.0㎜ 前方

4、下唇:  3.0㎜ 下方

5、上顎臼歯:3.5㎜ 前方

6、下顎骨: 1.0㎜ 前方

治療効果をまとめます。

上顎前歯の後方移動と下顎前歯が前方移動したことで、上顎前突は解消した。また、上顎臼歯の前方移動に連動して下顎骨がわずかに前進したことも有利に働いた。

以上のメカニズムで上顎前突は改善しました。また、唇が歯の移動に追従したことで、口元の外観も改善されました。美しい横顔です。

今回のタイトルは「顔を造る」でした。矯正歯科には可能性があります。


綺麗な歯、均整のとれた歯並び・咬み合わせはあなたの宝物です。健康的な笑顔は人に良い印象を与えます。これから矯正治療を受ける場合、注意点があります。歯科医師の誰もが、今回、ここで紹介した様な矯正治療が出来るわけではありません。矯正治療には高い技術を必要とします。担当医が日本矯正歯科学会認定医の資格を有するかを確認した方が安心です。


※1 歯の移動方向を表す用語で、

圧下(あっか)  :根尖方向、歯を埋める方向のこと

挺出(ていしゅつ):歯冠方向、歯が抜ける方向のこと

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