36話 ただしい矯正治療

ブログで紹介している症例は全て私が施術しています。よって、画像には「kudo-ortho.com」の透かし文字を入れています。

さて、本題です。歯列の凸凹は、顎の大きさと歯の大きさとの間でバランスを欠いた時に発生します。したがって、治療はバランスをととのえることで完成します。どうバランスをとるか、問題は正しい診断が出来るかどうかです。


「この子は顎が狭いです。顎を広げましょう」、「拡大装置を入れます」診断が出来ていない典型例です。

【初診時】

小学4年生 女子















































顎が狭いか・狭くないかは模型分析で判断します。診断で本症例の顎の幅は標準的と判定されました。したがって、歯列拡大の必要はありません。歯列の凸凹の原因は歯の大きさです。ひとつひとつの歯のサイズがわずかに大きくても、全体としては重なったり、とび出したりします。

本症例の治療は、二段階に分けて行います。

第一段階:前歯の機能的障害の除去

第二段階:全体的な機能的咬合の確立


【機能的障害の除去】

前歯の関係が変わりました。

犬歯相当部の歯ぐきが盛り上がっていますが、生えてくるのを待ちます。



























【永久歯萌出】

中学2年生。全て永久歯が生えそろいました。

この段階で再検査し、もう一度診断をします。















































本症例の歯列の凸凹は、標準的な顎の大きさに対し個々の歯のサイズが大きいことで生じていました。では、どうバランスをととのえるか。歯を小さくしてととのえます。抜歯です。勿論、抜歯・非抜歯の判定は抜歯分析という診断方法を経て慎重に行います。

さて、ここで考えてみましょう。「抜歯が悪で、非抜歯が善か」。違います。イメージや感情論ではなく、学術的に正しく判定された結果が優先されます。診断の結果が、抜歯症例は抜歯、これは善。非抜歯症例は非抜歯、これも善。抜歯症例を無理やり非抜歯で治療する、これこそが悪。理由は後で説明します。


【マルチブラケット治療終了時】

治療期間はおよそ一年半かかります。














































矯正治療が終了しました。綺麗な歯並び・咬み合わせです。

もし仮に、抜歯がイヤで歯列拡大をしたとしましょう。狭くない上顎を拡大すると、下顎との咬み合わせが、かけ離れていきます。そこで下顎も拡大することになります。

下顎は解剖学的に拡大は不可能で、一見拡大したかに見えても、実は歯が外側に傾斜しているだけです。さらに問題は、傾斜した側の歯槽骨が薄くなったり、吸収して一部の骨がない例もあります。さらに、前歯の傾斜で口元は突出します。

抜歯症例を無理やり非抜歯で治療するとバランスがどんどん悪くなり、およそ治療と言える状況ではありません。

繰り返します。矯正治療とはアンバランスをバランスへと改善することです。


術前術後の写真を見てみましょう。













いかがです。美しく、機能的で、安定しています。

インチキな矯正治療に騙されないように、ただしい矯正治療の知識を知っておきましょう。

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