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26話 上の前歯が一本ない場合。

ほとんどの患者さんは、歯科医師であればだれでも矯正治療が「出来る」と思っています。

違います、「出来ません」。説明します。

歯科医師が矯正治療の医療行為を行う事自体は違法ではありません。この点において「出来る」でしょう。重要なのはちゃんと「出来る」かという事です。あなた本人、あなたの子供が矯正治療を受けようとするときは、担当医が日本矯正歯科学会認定医であることを確認すべきです。北海道では約150人が登録しています。けして多い数字ではありません。日本矯正歯科学会のホームページで確認できます。

今回も難しい症例です。


12才 男子。いつもの様に検査・診断をします。


【初診時口腔内写真】
















































この症例の第一印象はどんな感じですか。

・出っ歯

・凸凹

・すきっ歯

そんなところでしょう。

本症例の全体像は「上顎前突傾向で歯列に凸凹がありながらも、上顎の前歯が一本欠損している症例」です。

治療方針

第一段階:顎の成長のコントロールによる顎関係の改善

第二段階:機能的咬合の確立


【マルチブラケット治療終了時】













































出っ歯の感じ、歯列の凸凹は改善しました。

本症例は、上顎の前歯3本という厳しい条件がありました。上顎の前歯一本欠損に対しては、3本の前歯を寄せることで対応しています。小臼歯の抜歯も行っています。


矯正治療は自分の歯や顎骨を移動させることで歯並び・咬み合わせを改善します。自分の歯を削って、差し歯などの人工物を入れる方法とは全く異なります。歯は一度削ると、二度と再生しません。むし歯の治療では、削る必要がありますが、歯並びを治すために、何でもない歯を削ることは慎むべきです。


一生自分の歯で食べることを基準に「歯」について考えてください。

今後も矯正歯科の可能性についてこのブログをとおしてお話しします。

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