25話 乳歯の晩期残存

乳歯の下、顎の骨の中にあるはずの永久歯が先天的に存在しない場合、歯の生え変わりが行われず乳歯が歯列に残ることがあります。このこと自体、比較的多く見られることで、乳歯が他の永久歯と協力して機能していれば、特に問題ありません。今回は、乳歯の晩期残存(ばんきざんぞん)のため不正咬合が生じた例を紹介します。


初診時年齢 13歳 女子

【初診時口腔内写真】
























向かって右下、黒っぽい歯が乳歯です(本人の左)。全体的にも歯列の凸凹があります。

【初診時レントゲン写真】

後になってわかったことですが乳歯を抜歯(ばっし)した時、乳歯と骨との癒着があり、歯を抜くのに苦労しました。通法に従い、検査・診断をします。


【マルチブラケット治療終了時】
























本症例は、乳歯と顎骨との間に骨癒着が認められました(こつゆちゃく)。このことが、同部位の骨の高さの成長を阻害し、周辺の歯列不正をまねいた可能性があります。乳歯の抜歯スペースは、後ろの第一大臼歯を移動させて閉鎖し、同時に歯列全体の凸凹も改善しました。ここまで触れませんでしたが、下顎の前歯が一本無いのに気づきましたか。本症例は、下顎側切歯と右下小臼歯の二本が先天欠如していました。


さて、繰り返しになりますが、永久歯の先天欠如により歯列に乳歯が残ることは問題となりません。むしろ、乳歯が永久歯の代わりに機能してくれることはメリットです。口腔ケアをして、乳歯を大切にしてください。


本症例のように、乳歯の抜歯が必要になった場合でも、ブリッジなどの人工物を入れることなく、自分の歯を移動して治療するという点は矯正治療の素晴らしいところです。


本症例のような場合は、矯正歯科認定医に相談してください。

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