top of page

20話 仕上がりを予測する・先天欠如の場合

歯の先天欠如はそれ程珍しいことではありません(統計データは他に譲ります)。先天欠如、すなわち歯がないこと自体は問題となりません。問題は歯がないことで隣り合う歯が傾斜したり、傾斜した結果、咬み合う歯と不良な接触が生じることがあることです。今回は、そんな話題です。


さて、次に示す写真のうち、正面の写真で、上の歯に注目してください。中切歯(大きい前歯)が一本とその両側に側切歯(小さい前歯)2本あります。わかりますか。右上中切歯(大きい歯)が一本ない状態、先天欠如です。(向かって左)

初診時口腔内写真













































初診時の歯の生え方は乳歯と永久歯が同居している状態、混合歯列期の時期です。


通法に従い、検査・診断をします。この症例の全体像は、「上顎前突傾向で歯の凸凹がありながらも、右上中切歯が先天欠如している」状態でした。


治療計画は

第一段階:永久歯交換の誘導

第二段階:機能的咬合の確立


動的処置終了時の写真















































歯並び・咬み合わせをどう「仕上げる」かは、診断の時に決めておきます。

この症例は、上顎の前歯は3本であるのに対し、下顎の前歯は4本ですので正中があわないのは想定内です。また通常、第一小臼歯の抜歯は左右対称的に行われますが、この症例の場合は違います。特殊な抜歯パターンを採用しています。術後の写真をじっくり見直してください。実は、歯の先天欠如症例は以前このブログに登場しています。

過去記事「矯正相談」を参照してください。あの症例は下顎の前歯2本が欠損しています。この様に歯の先天欠如があっても、きちんと矯正治療をすることで審美的かつ機能的に回復させることが出来ます。

最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
bottom of page