矯正治療のはなし

​工藤 泰裕
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2020/03/30

ひとつの事にこだわり過ぎると、まわりが見えなくなる。

私たちは普段の生活でも経験することです。


このことは矯正治療にも当てはまります。

例えば、歯列に凸凹があり、そこに集中するあまり他の症状を見落してしまうことがあります。

他の症状で特に注意を払わなければならないのは、骨格的な問題があるかないかという点です。歯の問題と骨格の問題は全く別のものなので、視野を広くもって全体像を見失わないようにしなければなりません。

【初診時正面観】

前歯に少し凸凹があります。

 本人は、この程度の凸凹ならいつでも治るかもしれない。と思っていたことでしょう。

はたして...

2020/02/25

矯正治療をする歯科医師に一番必要な資質は診断能力です。

矯正治療は原因にアプローチしてこそ良い治療効果を発揮します。間違った診断によって導かれた「原因」アプローチした場合、それは有害な治療となります。

ただ、トンチンカンな治療行為であっても、疑似改善することがあります。この時、術者は自分の方法が正しいものと思い込み、その後も同じ愚を繰り返すことになるので厄介です。

疑似改善とは私の考えた造語です。

「疑似」とは本物ではないが、見かけが似ていることを意味します。

つまり、間違った治療行為であっても、その手法が強引であったり、または長期に及んだ場...

2020/01/20

不正咬合であっても、治療をしない人はいます。

それはそれで良いでしょう。何事もご本人の意思が尊重されるべきです。

だだ、どんどん悪くなって行く様を目の当たりにした時には、残念に思います。

学校歯科検診において、反対咬合の症状が去年より悪化している児童に会うときは複雑な気持になります。私は所定の書式に反対咬合であることを記載することは出来ますが、それ以上のことは出来ません。その後、専門機関を受診する・しないはご両親の判断にゆだねられます。

不正咬合は適切な時期に適切な治療をすれば治ります。しかし、なにもしなければ治りません。

適切に治療した症例...

2019/12/16

「不正咬合の解決は、その原因にアプローチすることでなされる」

しかしながら、不正咬合の種類に関係なく全ての症例に対し、急速拡大装置を使用する歯科医師がいます。彼らの説明用パンフレットやホームページには、急速拡大装置で上顎を拡大にすることによる独自の考えがうたわれており、装置の使用が大前提になっています。検査・診断をする前から急速拡大装置の使用が決まっているのです。不正咬合の原因を考えた結果の処方ではないことは、このことからも明らかです。


原因にアプローチするためには、まず資料を採り分析する。その結果として問題点が判明し、そこを改善すべ...

2019/12/09

歯列の凸凹と反対咬合をあわせもつ症例です。

さっそく治療しましょう。

【初診】

16才 女性

前歯部は反対咬合です。

 歯列の凸凹の程度は上顎で多く、下顎では少ない。

 左右の臼歯関係も反対咬合の傾向を示すが、臼歯部の狭さは見あたらない。

診断では単に現在の問題点を求めるだけではなく、治療の進め方、歯並びの完成、予後を含めたところまで考えます。

マルチブラケット治療を始める前には、フォースシステムを設定します。

フォースシステムとは、いわゆる力の設計図です。治療のスタートからゴールまでを細分して、それぞれの段階で使用するワイヤーの素材、サイズ、曲げ方...

2019/10/28

乳歯とこれから生えてくる永久歯の位置関係について知る事は重要です。

下顎の骨は大腿骨と同じ長管骨に分類されます。下顎骨は一本の骨がアーチ状になったと考えて良いでしょう。構造はシンプルで、下顎の永久歯は乳歯の真下に位置取りします。

上顎は複数の骨がパズルのように縫合で連結されています。

また、鼻との関係性を有し、副鼻腔、上顎洞などの空間もあり構造はきわめて複雑です。おのずと後続永久歯は限られた場所に位置取りすることになります。

その待機場所が独特なため、レントゲン画像上では混み合ったように写ります。

私は「ぶどうの房のように写る」という表現をし...

2019/10/07

反対咬合症例の怖いところは、下顎骨が今後どれくらい成長するのかが、予測できないことでです。

ほとんどの症例は反対咬合の改善治療のあと、安定した経過をたどりますが、

一部の症例では、想定を超える力強い成長がじりじりと続く場合があります。

いずれにせよ、反対咬合症例の場合は、旺盛な成長をむかえる前に、上下顎の前後的関係を正しい状態にしておくことが必要です。

反対咬合症例は治療時期が大切です。矯正治療に明るい歯科医師に相談してください。

【初診】

9才 男性

検査資料を分析して診断をたてます。

治療は以下のように、二段階に分けて行います。

第一段階:反対咬...

2019/09/02

あきらめる必要はありません。

成長期を過ぎた反対咬合であっても、矯正治療が可能なことも多くあります。

外科矯正になるのか、矯正治療が可能なのかは診れば分かります。

ご相談ください。

【初診】

19才 男性

顔の状態は示しませんが、反対咬合の特徴をもっています。

検査資料を分析して、精確な診断をたてます。

下顎の第一小臼歯の抜歯が必要です。

マルチブラケット装置で治療を開始します。

【治療後】

治療期間 24ヶ月 

撮影のため装置を外していますが、当面の期間は保定装置をはめています。

上下顎のズレの程度が著しい場合は、外科矯正が必要になることもあります。

私がか...

2019/08/19

矯正治療で大切なことは、考え方に筋が通っているかどうか、ということです。

事の道理、事を行うときの正しい順序が重要視されます。

矯正治療を進める筋道は次の通りです。

 ①学術的知識

 ②症例の問題点の抽出(検査・診断)

 ③技術
 ④治療効果の判定

このことを丁寧に行うことで矯正治療は成り立ちます。近道はありません。

【初診】

反対咬合を例に考えてみましょう。

最も重要なことはその症例の原因にアプローチすることです。

歯の傾斜が原因で反対咬合になっているのであれば歯の傾斜を、

骨格が原因であれば骨格を修正するという具合です。

そんなの当たり前ではないか、と...

2019/07/01

「乳歯列期の反対咬合が観察でよい理由」、

最初に結論を述べます。

それは「後でも治るから」です。

実際の症例で検証してみましょう。

【乳歯列期】

本症例は、乳歯列後期または混合歯列前期と言った方が正確かもしれません。

6才 女子

矯正相談のため来院、この時すでに反対咬合の程度はつよいですが、下顎の永久前歯が2本生えたばかりで、6才臼歯はまだ生えていません。

当面、定期的に観察することにしました。

6才の時の口腔内写真。

         反対咬合です。

          上顎は全て乳歯

         下顎は永久前歯が2本生えた。

半年ごとに観察していき...

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